SolitOUD

7コース13弦ウード&カマンチェと過ごす穏やかな日常

録画・録音の大切さ

 オンラインレッスンの一環として初めて自分の演奏を録画しました(一般には非公開)。提出のための西洋曲2曲の他に、カメラテストを兼ねてアラブ曲(Samai Bayati Al Aryan)も撮ってみたのです(これも非公開)。それを見返してみてもう、色々と、ああぁぁぁぁ……。百聞一見。お陰様で本当に良い勉強になりました。

 問題の改善には、まず問題を自分で認識することが第一歩です。弾いている最中の色々なことにどれだけ自分で気づけていないのかが、録画して見直すことではっきりわかります。主に欠点に向き合うことになりますから、これは怖いしショックです。でもショックが強いほど強力な療法となります。(笑)それに「ここは意外と普通にできてた、前より良くなってた」という良い部分も同様に見つけられます。

 

 例えば、これから「仕事に行く」「人に会いに行く」という日に一度も鏡を見ないまま家を出るでしょうか。どれだけかっこよく着飾ってキメたつもりでいても、鼻毛が出ていたら……。録画して見直すというのは鏡を見るのと同じことなんだと思います。

 そんな訳で、自分の演奏を客観的に見て自己分析しました。以下は私の個人練習の内容なので自分のノートにでも書いておけばいいことなのですが、私のような年数浅い練習生でもこれだけ気付くことがあるんですという参考のために、今回はここに書きたいと思います。

 

【改善が必要な点】

手首がまだふにゃふにゃ動いてる

 ウードの先生によく指摘されていた悪癖をまだ直しきれていないようです。一時期よりはだいぶマシになっていますが。これはもう今!きっちりクリアしたい。最優先で取り組もう。

 

自分的に難しくて余裕のない箇所で速くなっている

 楽譜を追うことで脳内メモリがいっぱいになって、音価や音色その他のことまで注意が回っていない。「難しいから粗がバレる前に早く過ぎ去ってしまえ」みたいな心理もあるかも。下手に隠そうとするから下手に聞こえる

 

余裕があるはずのところでも速くなるパターンがある

 細かい音価のパッセージを弾いた後少しゆっくりしたフレーズが来るところ、旋律が上から順に下ってくるところなどが要注意。音符が細かろうが装飾を入れていようが、練習を重ねて余裕を持って弾けるようになった箇所はきちんとリズム通り弾けている。何かが不安定だと気づいたらそのままにせず、一度立ち止まってじっくり何度も練習しよう。

 

特に薬指、強い勢いでドスンと押弦している所がいくつもある

 この曲では主に F3。別の旋法の曲で F#3 でもやってしまうことがある。E4E half♭4 あたりもかも。腱鞘炎を起こしやすい私にとってこれが指の付け根を痛める原因の一つかと。(他にはスライドやビブラートを強すぎる力で練習するなど。)強すぎる押弦をするから力のバランスが崩れて不安定になってしまう。どんな時でも最低限の力で押弦する訓練。これはバランス調整の問題だから手首の固定の練習と同時にできそう。

 

少し離れた高音に飛ぶ時に必要十分な音量を出していない

 自信が不十分なために「ここは(音程とか)大丈夫かな」と伺いながらそっと弾いてしまってる感じ。この演奏自体が録画テストでもあったため、全体的に様子見のような演奏になっていた。これは曲の練習を続けると同時に録画の回数も重ねていけば大丈夫になりそう?

 

【よくできていた点】

音程しっかり取れてた!しかも安定感もあった。

 この曲に取り組んでいた去年の6月頃は、A3 D4 などが曲の中では不安定になって外すことも多かったはず。これは励みになる。続けてさえいれば、そのうち問題にもならなくなる時が来る。

 

フレージングもできてる

 私はネイティブではないのでアラブ人の思う“この曲”ではないと思うけど、曲の旋律から受ける私なりのイメージをまとまりを持って弾けていた。リズムも数字で10カウントしなくても直接 Samai のリズムを感じて乗れるようになっている(意図せず速くなってしまうことは別として)。

――― 自己分析以上 ――― 

 

動画が撮れなくても、音だけでも

 レッスンの一環としてチェックする先生側からすると、「何かのミスやコントロールがうまくいかないところがあるときに「たまたまその時にそうなってしまった」のか「呼吸や姿勢、体の動かし方から来るもの」なのかといったようなことは動画があると格段によくわかる」のだそうです。なるほど、何かがうまくいかないというときに「手の持っていき方が良くないのか」「もっと大きな姿勢から良くないのか」等判断がつきやすくなりそうですね。

 でももし動画が撮れる環境になくても、録音だけでもやらないよりはずっと良いです。音だけでも「こういうところで速くなるな」「何か迷いながら弾いてるな」「えいや!って弾いちゃってる感あるな」等々気付けることはたくさんあります。気付ければ対策に繋がりますから、とにかく行動してみることが大事です。

 

 そういやギターの録音もあるはず、と思って探したらありました。以前動画を貼り付けて紹介した Per-Olov Kindgren さんの『Espero que Estés Bien』のファイルが出てきました。雑音だらけ粗だらけですが、それでも全然弾けなくなった今の私からすれば「ほんとにこれ弾けてたんだなぁ」と。録音とか録画とか、思い出のためとしても残しておくと後々おもしろいですね。 

 2018824日録音。音からすると使ったギターは Cordoba Mini M DAddario Folk ブロンズ巻クリアナイロン弦のようです。