SolitOUD

7コース13弦ウード&カマンチェと過ごす穏やかな日常

イラン人からのメッセージ

 日本もそうではありますが、世界での深刻なパンデミックに不安になり、欧州在住のイランの方に心配している旨を伝えたら、まったく逆に元気づけられるというオチになりました。

 “しかしまぁ第三次世界大戦みたいだよね。でもどうか前向きな心でいることを忘れないでね。それが良い針路を保ち続ける助けになるから。これも最終的にはそれぞれにとっての良薬になるんだよ。私達全員にとって、何らかのね。安全に過ごして、思いやりの心を広めてね。”

 なんということでしょう。すっかり勇気づけられてお礼の返信をしたら、今度はとてもうまいユーモアを絡めて切り替えしてきて思わずひと笑いしてしまいました。(個人的な内容なのでここには書けません)

 なんという強さでしょう!このような時でも穏やかで優しい言葉をかけて他者を励まし、しかも笑いまで誘うことができる。これが人としての真の強さを持っているということなんだなと思いました。

 こんな異常時だからこそ、どんなアドリブを出す人間なのか、どこまで機転を利かせることができるのか。一人ひとりの本性を知ることができる機会とも言えますし、今採る行動によってはぐんと人間性を深めることができるチャンスでもあるのでしょう。

 

 私からも一つ、勇気づけられる(かもしれない)小話を書きたいと思います。

 私はマンションの高層階に住んでいるのですが、毎年春にツバメがやってきて近隣のどこかで子育てをしています。ある時無事に育ったヒナが飛行訓練をしている現場を目撃したことがありました。まだ体が小さく羽毛も親とは違うヒナたちが、時には転びそうになるような感じで体勢を崩しかけたりしながらも、懸命に飛び続けていました。この高所ですから、諦めたら本当におしまいです。

 両親は2羽ともピーピー声を掛け続けながら一緒に周囲を旋回するだけです。それしかできません。ヒナたちはバランスを崩しても自力で立ち直り、飛び続ける他ありません。そんな訓練が1時間以上も続きました。

 どんな説教をも凌駕するような、本当に凄いものを見せられたような気分でした。弱音を吐きたくなったときにいつも思い出す光景です。どんな環境に置かれたとしても、その中で今何が自分にはできるのか落ち着いて行動を刻んでいきたいものです。