SolitOUD

7コース13弦ウード&カマンチェと過ごす穏やかな日常

遠隔レッスンのための留意事項

 遠隔レッスンのレポートの後長谷川先生のブログに「オンラインレッスンの考察」というまとめ記事がアップされました。それを読んで、私も前回の記事には書かなかったけれどやはり言及しておいた方がいいかなと思った内容を書いておこうと思いました。私の方からはレッスンを受ける生徒側の視点から、レッスンそのもののための準備・留意事項をいくつか書いてみました。

 

音の途切れによる内容の聞き逃し

 こちらの画面でほんの23秒画像がカクカク、音もプツプツと切れかけた時がありました。(私は無線接続で部屋が線路の側なのですが、もしかしたら特急が通過した時にそうなったかも?)

 話の内容は前後から補完して今回は問題ありませんでしたが、もし途切れたせいでよくわからなかった場合、話の途中でも手を挙げるなどしてもう一度説明を求めた方が良いと思います。わからなかったのにそのままにしてしまう方が良くないことだと思うので、ここは遠慮せずに。(先生側からも開始前に「話が聞こえなかったときは遠慮せずに聞き直してね」等と一言あるとより安心感が増していいかもしれませんね。)

 

情報をしっかり伝えるために

 音質は悪くはありませんでしたが決して良いというわけでもありません。はっきり話し、あまり早口にならないように気をつけるといいと思います。何か説明する時も一度に多くのことを言葉だけで話しすぎず、指の動きの話なら実際に指をゆっくり動かしながらとか、身振り手振りも使って伝えられると効果的だと思います。

 わかりやすい伝え方のために参考になる動画を見つけました。カマンチェの弓の持ち方のレクチャー動画ですが、言葉が全然わからなくても、これだけゆっくり丁寧に説明していれば何を言おうとしているのかが伝わってきますよね。

 長年先生として教えている側ならこのように説明することにも慣れていると思いますが、テレレッスンの場合生徒側もこんな風に上手に伝える工夫を心がけると良いと思います。楽器のレッスンを受けると同時に物事をうまく説明する練習にもなる!と思えば一石二鳥ですね。

 

進行をスムーズにするために

 もし質問したいことや疑問に思っていることがあれば、あらかじめリストアップしておくと良いと思いました。レッスンが始まるとバタバタしたり体験自体がおもしろかったりで、開始前までに考えていたことをすっかり忘れてしまったりします。私も聞きたかった質問は聞けましたが、以前教わった内容で練習し続けた結果こんな改善があったという報告をするつもりだったのを忘れてしまいました。

 やり取りをスムーズにするためにも、やはり楽譜は先生も生徒も全く同じものを用意しておくことが好ましいと思います。自分で楽譜を作るならば小節番号やリハーサルマークもつけておきましょう。対面レッスンなら直接指指して「じゃあここから」と言えば済みますが、遠隔ではそれがパッとできませんからね。

 

Zoom の画面共有でできること

 今回 Zoom の画面共有機能を使って、私のPCに入っている動画入り電子ブック(ウードの奏法を実演・解説したもの)の一部を見ていただきました。電子ブック本文から動画、音声まできちんと相手のPC上でも再生されたようです。見ていただいた結果、私達のレッスン内容にも大いに役立ち、これは使い方によっては便利かもしれないと思ったのでご紹介します。

 画面共有には2種類あり、デスクトップ全体(ディスプレイに映っているもの全て丸ごと相手に見せる)か特定のウィンドウ(ソフト画面)だけを見せるか最初に選べます。共有を開始すると指定した範囲の画面がそのまま相手のディスプレイにも表示されます。マウスカーソルまで同じように動いて見えます。

 楽譜ファイルをPCに入れていればそれを開いて「ここ」とマウスの動きで指すこともできますね。もし曲の全体を通して曲想の解説などする場合、カメラに楽譜を近づけて手持ちで解説するよりもずっと見やすいと思います。そのためには楽譜の画面をすぐに見せられるようにあらかじめバックグラウンドに用意しておくと良いですね。

 生徒側からの使い方としては例えば「こんな演奏動画を見つけたのですが、この部分を真似てみてもこんなにはっきりした音にならないんです」「この部分はどういう奏法が使われているんですか」なんて質問をするのにも使えそうです。

 

画面共有で編曲会議?

 あともう一つ思いついた使い方としては、編曲会議(なんてものがあれば)などに良いのではないでしょうか。これはレッスンよりはミュージシャン同士向けかもしれません。私は自分で編曲等もしますが、そうして作った楽譜を教室でのレッスンに持ち込んで「ここはこれでどうでしょう」などと見ていただくことがありました。そういった意見交換をするのに楽譜作成ソフト画面をお互いのPCで表示しながらその場で編集して音も出してみて、というのは新たな手段になるかもしれません。

 楽譜ソフトも経験がある方にはわかると思うのですが、ある程度使い慣れると打ち込みがとても早くなります。脳内でドレミ~と鳴らすのと同時に瞬間的に「CDE~」と打ち込んでいったり、そのついでに「3」とか「5」とか打って3度や5度上(設定によっては下)の和音を付加したり。「ここからオクターブ変えてみよう」「1音ずらそう」「やっぱり別のキーにしよう」と思えばそれも一瞬です。そんな感じで慣れた方が操作するなら“編曲会議”がかなり捗りそうに思います。

 コンピューター音源上では良さそうに聞こえても実際の楽器で鳴らしてみると微妙だったり、運指的に問題ありだったりするのでその検証はまた必要ですが。しかしそれこそお互いがそれぞれの楽器+道具類を持ち寄る対面会議を計画するより楽なのではないでしょうか。

 

 と、とりあえずこんな感じで思いついたことを並べてみました。生徒側先生側問わず、どなたかのお役に立てるようであれば良いのですが。また気づいたことなどあれば記事にしていきたいと思います。